ポラリスでは、静置乾燥に適した「箱型乾燥機」と「台車式箱型乾燥機」をラインアップしています。どちらも棚式構造を活かして乾燥面積を確保しつつ、省スペースかつ柔軟な運用が可能な機種です。
このページでは、ポラリスの箱型棚式乾燥機の特徴やメーカーの強みをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

引用元:ポラリス公式HP
(https://www.polaris.cc/products)
ポラリスの箱型乾燥機は、トレイに展開した原料を棚に静置し、熱風や除湿空気を通して乾燥させる構造です。棚の間を通る熱風が、原料に含まれる水分や揮発分を蒸発させ、素材をゆっくりと乾燥します。
乾燥室内には複数段の棚が設けられており、多くのトレイを収容可能。限られた床面積でも効率よく乾燥できます。
また、熱風を一定方向に強制通気させる方式により、棚ごとに風が均等に行き渡るよう工夫されているのも特徴です。これにより、トレイの上下段や前後位置による温度差が抑えられ、乾燥ムラの発生を抑えることができます。
さらに、材料をかき混ぜることなく静置した状態で乾燥できるため、形が崩れやすい素材の処理にも適しています。たとえば、乾燥中に形が崩れやすいカット野菜や薬草、葉の薄い健康茶葉などは、搬送や撹拌による損傷を受けやすく、このような静置乾燥方式との相性が◎です。
熱源は電気ヒーターや蒸気ヒーター、直火式(LPG)などから選択可能で、処理する原料や用途に応じて柔軟に選定できます。

引用元:ポラリス公式HP
(https://www.polaris.cc/products)
あらかじめトレイをセットした台車ごと出し入れするタイプで、作業効率を重視した運用に適しています。台車棚ごと乾燥機に挿入・取り出しができるため、搬入出の手間を抑えることができ、多品種の乾燥や段取り替えがしやすい点が特徴です。仕込みや入れ替え作業の効率化を図りたい現場で採用されることが多くなっています。
通気式や平行流式など乾燥方式のカスタマイズにも対応しており、トレイの形状や枚数も用途に応じて変更できます。
対象となる原料は、カット野菜や薬草、茶葉、きのこ類などの食品素材に加え、化成品や工業材料なども含まれており、幅広い分野に対応できる乾燥機です。
ポラリスは、食品・健康食品・医薬品の生産設備を中心に、乾燥機や粉砕機などの単位操作機器を設計・製作しているメーカーです。乾燥・熱処理・ハンドリング技術を基盤とした装置開発を行っており、ユーザーのニーズに合わせた個別提案を重視しています。
同社は、使いやすさや現場目線の設計を大切にしており、乾燥プロセスにおいても、処理量・対象物・作業工程に応じた柔軟な仕様対応が可能です。乾燥機はすべて設計から製造まで自社で対応しており、熱源の選択や操作性のカスタマイズなど、実運用を見据えた提案に強みがあります。
また、製茶業界への支援や、食品工場のIPM(総合防虫管理)に関するコンサルティング業務も手がけており、生産設備全体に関する知見を活かして幅広い業界に対応しています。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
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振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
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材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
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適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
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粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
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加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
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コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
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洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
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消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
| 特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
| 代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 ![]() 引用元:中央化工機HP |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 ![]() ヤスジマHP |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 ![]() 徳寿工作所HP |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 ![]() 引用元:長門電機工作所HP |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 ![]() 引用元:栗本鐵工所HP |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。