二葉科学では、さまざまな用途に対応できる熱風循環式の箱型棚式乾燥機を展開しています。ここでは、二葉科学の「大型熱風循環式乾燥器 DF型」と「台車挿入乾燥器」の特徴や用途について紹介します。

引用元:二葉科学公式HP
(https://www.futaba-kk.co.jp/製品案内/熱処理装置・加熱炉/熱風式加熱装置/大型熱風循環式乾燥機-df型/)
DF型は、最大+300℃まで対応可能な熱風循環式乾燥器です。用途に応じて200℃仕様と300℃仕様があり、乾燥物の特性や処理条件に合わせて選択できます。
温度コントロールは風洞計算に基づいた撹拌方式を採用しており、庫内の温度分布は±3~4℃と高精度。温度上昇時間は無負荷時で200℃まで約50分、300℃まで約60分と安定しています。乾燥棚は4~6段仕様で、扉は両開き式。安全装備も各種備えられており、加熱にはSUS304製シーズヒーターを使用しています。
オプションも豊富で、温度記録計、タイマー、風量調節、プログラム温調など、用途や現場環境に合わせてカスタマイズが可能です。主な用途としては、ブレーキパッドの生産や樹脂封止剤の硬化、洗浄後の水分乾燥など、さまざまな製造工程での熱処理が挙げられます。

引用元:二葉科学公式HP
(https://www.futaba-kk.co.jp/製品案内/熱処理装置・加熱炉/熱風式加熱装置/台車挿入式恒温槽-df-s型/)
重量物の処理や、多量の原料を一括で乾燥したい場面に適しているのが、こちらの台車挿入型乾燥器です。あらかじめトレイをセットした台車ごと乾燥機に出し入れするタイプで、搬入・搬出の作業負担を軽減できます。
構造は熱風循環方式で、温度範囲は+50℃〜+450℃、安定時の温度分布は±7℃とされています。扉は片開き・両開き・自動昇降などに対応しており、設置場所の条件に合わせた設計が可能。台車やリフターなどの搬送機器も含めた提案が可能で、工程全体の効率化を図りたい現場に適しています。
加工対象としては、ブレーキパッド、樹脂粉末、熱硬化型プラスチック、シリコーンゴム、親水性ポリマー、洗浄後の部品など、高温での均一な熱処理を必要とする素材や製品群に幅広く対応しています。
二葉科学は、環境試験機や熱処理装置を中心に、一品一様の装置を企画・設計・製造まで一貫して自社で行っているメーカーです。製品はすべて国内工場で製作されており、装置の設計から板金・組立・納入までを自社内で完結する体制を構築しています。
お客様の用途に合わせた一品一様の製品づくりを基本とし、標準機だけでなく特注サイズや特殊仕様への対応にも積極的。企画提案段階から技術者が関わっており、製品の機能性だけでなく、作業性や安全性にも配慮した提案を心がけています。
遠赤外線アニール機や熱制御装置など、研究開発も積極的に行っており、高温加熱の精度や効率を追求しています。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
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振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
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材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
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適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
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粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
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加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
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コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
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洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
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消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
| 特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
| 代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 ![]() 引用元:中央化工機HP |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 ![]() ヤスジマHP |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 ![]() 徳寿工作所HP |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 ![]() 引用元:長門電機工作所HP |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 ![]() 引用元:栗本鐵工所HP |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。