ヤスジマは業務用乾燥機や殺菌装置などを開発する真空プラント設備の総合メーカーであり、複数の攪拌乾燥機を提供しています。このページではヤスジマの攪拌乾燥機について機能や特徴を紹介しています。
ヤスジマのYVD真空攪拌乾燥機は、低圧環境では水の沸点が低下するという現象を利用して、低温で対象物を乾燥させることを可能にした乾燥機です。乾燥機本体の内部を減圧状態することによって、内部はおよそ40℃という温度でも水分が蒸発するようになります。
また、同時に乾燥機内部では羽根による攪拌を行いながら乾燥物へ熱を伝えて、全体をまんべんなく温めながら乾燥を促せる点もポイントです。
高真空かつ低温度による乾燥が実現するため、食品を乾燥させる際にも酸化したり熱変成したりといったリスクを低減できます。また、乾燥機周辺の温度も室温程度で維持できるうえ、蒸発した水分はドレンによって排出されるため、乾燥機を稼働させることで周囲に与える悪影響を抑えられます。
※参考元:ヤスジマ公式HPhttps://yasujima.co.jp/product/dryer/yvd/
乾燥機の内部に設置した高速回転羽根を作動させることで全体を分散させ、300~450℃の熱風を効率的に乾燥物へ送り込みます。その結果、乾燥効率が上昇し、およそ30~60秒で対象を乾燥させられる点が強みです。
また、乾燥物へ触れるのは熱風発生炉から送り込まれる熱風だけであり、乾燥物そのものに熱媒を当てて高温にする必要がありません。そのため、熱による乾燥物の変色や変質といった影響を少なくできます。
攪拌羽根と熱風の相互作用によって、含水率80%程度から8%以下まで急速に乾燥させます。加えて、排気の一部を熱風発生炉へ還元して加熱、加熱蒸気として再利用でき、ランニングコストを10~20%程度削減できる点も特徴です。
※参考元:ヤスジマ公式HPhttps://yasujima.co.jp/product/dryer/ykdn/
生おからを食用乾燥おからへ加工したり、野菜を乾燥野菜へ加工したりと、目的の食品を乾燥して別の製品を作り出すために有効な乾燥機です。
乾燥機の内部に設置されている高速回転羽根が、乾燥させたい対象物を攪拌・分散して、空気へ触れる表面積を増やします。また、そこへ300~450℃の熱風を熱風発生炉から送り込むことで、含水率約80%の食品原料を含水率8%以下まで急速乾燥させることが可能となりました。
乾燥が済んだ製品はサイクロンとロータリーバルブによって分離されたあとコンベアに運ばれ、次の工程へと進みます。また、供給ラインの条件に合わせて乾燥能力を自動調整し、対象物の待機時間を減らす効率化機能が備わっているのも特徴です。
※参考元:ヤスジマ公式HPhttps://yasujima.co.jp/product/dryer/ykd/
ヤスジマは1950年に創業して以来、真空攪拌乾燥機など各種真空プラントの設計や製造を行ってきた総合メーカーです。顧客ニーズや利用環境に合わせて新しいアイデアや製品を想像し、業務の効率化だけでなく新規分野の開拓も積極的にサポートすることを理念としています。
また、顧客満足度へ直結する製品開発を実現できるよう、試験機を多角的に分析する「リサーチラボ」を開設しています。
真空・減圧条件下や低温下での水の化学的性質と、高速回転羽根による物理的な促進効果を融合させて、乾燥効率を向上させた業務用乾燥機を色々と提供している点が特徴です。
衛生環境の維持にもこだわっており、乾燥物のコンタミや熱変成といったリスクを抑えつつ効率的な乾燥を行えます。そのため、食品用乾燥機や木材用乾燥機、廃棄物用乾燥機など、業界や乾燥物の種類に応じた使い分けもしやすくなっています。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
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材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。