愛知電機のロッキングドライヤは、真空環境下での加熱乾燥や加熱混合に対応した回転揺動式の乾燥機です。ヒーター加熱・高温加熱・蒸気/温水加熱の3タイプがラインアップされており、粉体の特性や処理条件に応じて選択できます。ここではロッキングドライヤの特長と、開発元である愛知電機のメーカーとしての強みについて紹介します。

引用元:愛知電機公式HP
(https://www.aichidenki.jp/rm/rdryer/rmh.html)
愛知電機のロッキングドライヤは、容器回転揺動型の粉体乾燥機です。粉体の特性や処理工程に合わせて、ヒーター加熱・高温加熱・蒸気/温水加熱の3タイプが用意されています。
粉体を流動させながら加熱する構造のため、熱が均一に伝わりやすく、温度ムラの少ない効率的な乾燥が可能です。液体を噴霧してから乾燥することで、造粒・コーティング・加熱混合などの工程を1台で行うこともできます。
容器は着脱式で、異なる粉体への品種切り替えがしやすいのも特徴の1つ。多品種少量生産にも適しています。容器を20°傾けた状態で回転させる排出機構により、粉体を閉塞なく全量排出できる構造です。
遠赤外線ヒータで加熱する標準タイプで、乾燥温度は150℃まで(高温タイプは400℃対応)。粉体を壊さずにやさしく乾燥できる“ソフト乾燥”に適しており、造粒やコーティング後の乾燥、加熱混合にも活用されています。凝集した粉体の解砕や加液処理と並行して乾燥でき、粉体の加工工程を1台に集約できます。
RMHに高温対応を加えたモデルで、400℃までの加熱が可能。熱反応や高温での混合処理が必要な素材に適しています。ヒーター制御や温度分布にも配慮されており、加熱精度の高さと耐久性を重視する現場に適しています。
加圧蒸気や温水で加熱するタイプで、防爆対応や装置の大型化にも対応可能です。容器冷却機能も備えており、冷水循環で粉体を冷却してからの排出も可能。食品や医薬品分野など、加熱後の安全性や取り出し条件に配慮が必要な工程に適しています。
愛知電機株式会社は、電力機器とモータ機器を柱とする総合電機メーカーです。変圧器や制御装置などのインフラ系製品に加えて、モータ応用機器や粉体機器なども幅広く展開しています。
粉体機器事業では、食品・医薬品・金属・セラミック・化学材料などを対象とした混合・粉砕・乾燥・調湿・コーティング装置を製造しています。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
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振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
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材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
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適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
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粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
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加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
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コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
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洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
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消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
| 特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
| 代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 ![]() 引用元:中央化工機HP |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 ![]() ヤスジマHP |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 ![]() 徳寿工作所HP |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 ![]() 引用元:長門電機工作所HP |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 ![]() 引用元:栗本鐵工所HP |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。