真空攪拌乾燥機は伝導伝熱方式の攪拌乾燥機で、真空状態で回分操作される装置です。真空下で乾燥を行うため、伝熱面積と処理材料の温度差を大きくとることができます。それにより、処理材料が攪拌解砕されながら伝熱面と直接接触するため、効率がよく均一な乾燥製品を得ることが可能です。
軸シールの形式選択により、高真空(低温度)の運転ができるため、空気酸化・高温変質しやすい材料の乾燥に適しています。
ダブルコーンドライヤは、主に粉粒体状材料の真空乾燥に適しています。
本体はジャケット付きのタンブラで原料を全容量の30%~50%仕込み、回転による攪拌・分散を繰り返しながら乾燥を行います。
カツラギ工業ではテスト機を常備しているため、必要に応じてテストを行った上で設備計画の検討を行うことが可能です。
カツラギ工業のダブルコーン型真空回転乾燥機は、材料が転動攪拌状態下で乾燥されるため、効率良く低水分まで乾燥することができます。
材料の粒子破壊が少なく、比較的混合精度が高いため、均一な乾燥製品を得ることができる乾燥機になっています。また材料と加熱面は直接接触形式をとるため、伝熱について真空下であることの不利は少なく、熱損失も比較的少なくなります。
材料の仕込み・排出も比較的容易で、蒸発ベーパが有害性をもつものや溶剤にも用いることができます。
カツラギ工業のダブルコーン型真空回転乾燥機は、粉粒体状材料の真空乾燥に適しているため、それらの原料を取り扱う企業に推奨される乾燥装置です。
本体内部の構造がシンプルになっており、内部の清掃が容易かつ異種材料を処理しても混入の心配がないため、衛生管理基準が厳しいような企業も利用が可能です。
全自動運転方式も可能なので、生産性を向上させたいニーズにも対応可能です。
カツラギ工業は創業以来一貫して化学機械・産業機械の設計や製作に携わってきた企業です。
近年ではより煩雑なニーズに加え、環境・エコに対する貢献が求められている中、乾燥を主力とした商品群に加え、新たに蒸発濃縮・晶析技術に基づく製品を開発し、環境問題への貢献・省エネ化にも取り組んでいます。
化学・食品・電子機器・衣料品・新素材などの各生産分野や、分離・精製分野、環境に貢献する排水処理分野など、広範囲にわたる分野に対応しています。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
|
---|---|---|---|---|---|
材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。