染料には天然素材をそのまま利用した天然染料や、化学合成によって人工的に製造した合成染料などがあり、さらに合成染料は材料や性質によって油溶染料や塩基性染料、酸性染料といったものへ分類されます。
乾燥機で染料を乾燥させる場合、それぞれの染料の性質や特徴を把握した上で、乾燥工程や方法を考えることが大切です。
染料は繊維などを着色して染めるための物質であり、水や溶剤へ溶けない顔料に対して、染料は溶剤に溶けるため生地へ浸透しやすく新しい色も作りやすいという性質を持ちます。また染料には大きく天然染料と合成染料の2種類があり、さらに人工的に化学合成して作成する合成染料は、その特徴や用途によって複数に分類されることが特徴です。
天然染料は動物や植物といった天然原料から抽出された染料であり、古来より世界中で活用されてきました。
天然染料はさらに動物性染料と植物性染料に分類され、動物性染料は貝類や昆虫などから色素を抽出し、植物性染料は植物の花や茎、根などから抽出されます。例えば藍染めや柿渋染めは植物性染料の代表的な活用法として知られています。
天然染料は希少性や自然性から多くのファンがいますが、日光や摩擦、化学薬品などに弱く、乾燥処理など製造工程にも繊細さが必要です。
油溶染料とは文字通り油や有機溶剤へ溶ける性質(油溶性)を持つ染料であり、水には溶けない点が特徴です。油溶染料が溶ける溶剤としては油脂や蝋、アルコール(エタノール)やアセトン、さらに各種シンナー類といったものが挙げられます。
油溶染料は発色性が良くて透過性を有しており、色の保ちが良く天然染料よりも色落ちしにくいことが特徴です。用途としてはボールペンのインクやクレヨン、化粧品、プラスチック樹脂への着色など幅広いものが考えられます。
塩基性染料は塩基性(アルカリ性)の性質を有する染料であり、成分の分子にアルミ基(-NH2)やイミノ基(=NH)を持つ点が特徴です。
塩基性染料や紙や動物の皮革、木材や竹材といった自然素材に反応性が良く、羊毛や絹といった動物性繊維からアクリルのような化学繊維まで幅広く染めることができますが、水には直接溶けにくいといった性質もあります。
酸性染料は酸性の性質を有している染料であり、羊毛などの動物性繊維に加えてナイロンなどの合成繊維に対しても優れた染色性を備えています。反面、木綿といった植物性セルロース繊維を利用しているものは染まりにくいことが特徴です。
酸性染料は酢酸や硫酸ナトリウムといった酸性溶液を溶媒とし、水にも溶けることがポイントです。
直接染料とは、下処理を行わずにそのまま水に溶かして繊維を任意の色へ着色できる染料であり、イメージとしては絵の具を溶かした水のようなものといえるでしょう。
直接染料は動物性繊維や植物性セルロース繊維に幅広く利用でき、水にも溶けるため扱いやすい反面、着色後の鮮やかさや色彩の耐久性(堅牢度)は他の染料に劣ります。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
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材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 ![]() 引用元:中央化工機HP |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 ![]() ヤスジマHP |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 ![]() 徳寿工作所HP |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 ![]() 引用元:長門電機工作所HP |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 ![]() 引用元:栗本鐵工所HP |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。