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バイオマス関連での乾燥機の用途

バイオマスとは、動植物を由来とした有機物である資源のことです。ただし、化石資源はバイオマスに含まれません。バイオマスの種類には家畜排せつ物や下水汚泥、紙、建設発生木材などがあり、燃焼しても二酸化炭素を増加させないことから、エネルギーとしての活用が注目されています。

ここでは、バイオマスの処理工程における乾燥機の用途について解説。また、乾燥機を導入する際のポイントについてもまとめています。

ウェット系バイオマスの含水率を下げる

スギやヒノキの樹皮といった水分を多量に含むウェット系バイオマスは、そのままの状態だと水分が発熱を邪魔して燃えくいため、燃料として使うには非効率的です。

たとえば含水率50%前後の生の木質チップを燃料に使用する場合、1トンあたりの低位発熱量は約1,700kWhになります。これを乾燥機で乾燥させて含水率を25%まで下げると、低位発熱量は約3,300kWhにまで上昇。このことからも、バイオマス燃料の含水率が高いほど、エネルギーが取り出しにくいということが分かります。

そのため、ウェット系バイオマスを燃料として効率よく使うには、乾燥機を使用して含水率を下げることが重要です。

コスト管理や環境負荷の軽減に役立つ

含水率の高い燃料は、コスト管理にも影響します。なぜなら水分を多く含むことで燃えにくく、さらにボイラー内の流動砂温度も下げてしまうので、燃料消費をその分増やさないといけません。水分管理がバイオマス燃料の消費量に直結するほか、あらかじめチップを乾燥させたほうが必要な熱量を抑えられるので、エネルギーの観点からも乾燥機が有用です。

また、含水率の高いバイオマス燃料をそのまま使用した場合、たびたび不完全燃焼を引き起こし、有害物質などを含む排ガスがより多く放出されます。保管面においても、含水率の高い燃料はカビの発生や発酵、有機物分解によるエネルギー減少を引き起こしかねません。

そのため、乾燥機で水分管理をしっかりと行ない、適正水分の燃料を使うことで環境負荷の軽減に貢献できます。

バイオマスの乾燥工程で用いられる方法

天然乾燥

その名称の通り、天然の力だけを利用して乾燥する方法です。たとえばバイオマス資源である木材には水分が含まれているため、日光や環境などを用いて時間をかけ、素材に負担がかからないよう乾燥させていきます。

初期投資がほとんど必要なく、木材の性質を損なわない点がメリット。ただ乾燥が終わるまでの時間を算出することが難しく、環境によっては乾燥ムラが生じます。また人工的な乾燥よりも含水率が下がりにくいのもデメリットといえるでしょう。

通風乾燥

通風乾燥とは人的に温度調整を行わず、自然に近い環境下で風の力を活かして乾燥する方法です。基本的に風だけで乾燥を行うので、バイオマス素材に影響をきたす可能性は少ないでしょう。ただ湿度の高い環境では、通風だけで含水量を下げるのは非常に困難です。また乾燥までに時間を要し、徹底的に含水量を下げるのは難しいというデメリットもあります。そのため通風乾燥を行う場合は環境や天候などを見極めたうえで行わなければなりません。

気流乾燥

パイプ状になった乾燥管の中に熱した空気を勢いよく供給し、そこに乾燥材料を入れると、材料は熱した風の力で分散します。熱風と材料が接する面積が大きいので、急速乾燥ができるでしょう。限界含水率は非常に小さく、400度~600度程度の高温の熱風が活用可能なので熱効率も高い乾燥方法です。製品によってはコンパクトなタイプもあり、設置スペースなどに応じた製品が選択しやすくなっています。

熱風乾燥

コインランドリーにある衣類乾燥機をはじめ、食器乾燥機など私たちの身の回りの製品にも活用されている乾燥方法です。熱風を乾燥材料に吹きつき乾燥させる方法で、電気・ガス・ガソリン・灯油などの燃料でバーナーやヒーターで熱を発生させます。その熱を送風機で送り込み乾燥をさせるという仕組みです。

温度コントロールがしやすく、比較的コストも抑えられるなどの特徴がありますが、材料の表面の含水量を極端に下げるためひび割れなどをきたす可能性も否めません。

バイオマス処理で乾燥機を導入する際のポイント

バイオマス処理で乾燥機を導入する場合は、自社が求める処理能力や用途、拡張性などを満たしているかチェックすると良いでしょう。

たとえば、ウェット系バイオマスを乾燥させたいなら、含水率をしっかりと減少させられる性能のものがおすすめ。また、処理量に応じた処理能力を有しているか、乾燥方式を選べるか、乾燥できるバイオマスにはどんなものがあるかを確認しておくと、自社に合った製品かどうか見極めやすくなります。

自社に合った製品がどういうものか分からない場合は、メーカーに相談しながら最適な乾燥機を提案してもらいましょう。

バイオマス関連の利用に適した
ろ過乾燥機をチェック

⼯業⽤乾燥機のタイプ別⽐較表

半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。

オンマウスで各項⽬の解説が表⽰されます
振動乾燥機

振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。

攪拌乾燥機

攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。

真空回転乾燥機
(コニカルドライヤー)

真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。

箱型棚式
乾燥機

箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。

流動層乾燥機

流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。

材料適⽤
範囲

様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。

適⽤量

一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。

粒⼦破損

材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。

加熱温度

関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。

コンタミ
発⽣
リスク

乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。

洗浄時間

乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。

消耗
部品

攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。

特⻑ 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている 大量の原料の乾燥に適している
代表的な
製品(※)
中央化工機
VU型振動乾燥機
中央化工機振動乾燥機

引用元:中央化工機HP
(https://www.chuokakohki.co.jp/dryer.html)

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ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機
イメージ

ヤスジマHP
(https://yasujima.co.jp/product/dryer/yvdn/)

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徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型
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徳寿工作所HP
(https://www.tokujuk.co.jp/products/dryer/WDV/post-11.html)

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長門電機工作所
箱型棚式乾燥機
長門電機工作所箱型棚式乾燥機

引用元:長門電機工作所HP
(https://nagato.co.jp/ventilation-tray-dryer/)

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栗本鐵工所
流動層乾燥装置
栗本鐵工所流動層乾燥装置

引用元:栗本鐵工所HP
(https://www01.kurimoto.co.jp/co-lab/floormap/floor-03.html)

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※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。