このページでは日本乾燥機株式会社が提供している振動乾燥機「振動流動乾燥機」「真空振動乾燥機」の特徴を紹介。日本乾燥機の会社としての強みもまとめているので、ぜひ参考としてご活用ください。
流動乾燥機によって発生する熱風と、振動モーターによる作用を組み合わせることで、対象品を流動化させて乾燥する振動乾燥機です。
振動による流動化促進が期待できるため、熱風によって乾燥物を浮遊させて流動化する流動乾燥機と比べると、振動流動乾燥機の方が熱風の風量を抑えつつ乾燥できます。
また、システムの特性上、風量と重量の関係から乾燥できる対象物のサイズ上限に制限がある流動乾燥機に対して、振動流動乾燥機ではより大サイズに対応しており、乾燥できる対象品の幅も広くなっています。ただし、適正な乾燥機能を確保しようと思えば、流動乾燥機を用いる場合と同様に、乾燥物のサイズがある程度まで一定にそろえるといった条件を整えなければなりません。
※参考元:日本乾燥機株式会社公式HP[PDF]https://kansoki.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/12/nkr_VFB2014-10.pdf
箱形ケーシングの内部に熱媒からの熱伝導によるジャケット構造の乾燥システムが組み込まれており、乾燥物は熱媒に直接触れることなく熱の作用によって乾燥が促進されます。加えて、粉粒体を振動による作用で流動化し、より効率的な乾燥機能を追求している点も特徴です。
ケーシングのなかには攪拌用の羽根といった装置が存在しないため、乾燥中にコンタミが発生するリスクを防止できます。
また、乾燥機自体の構造が洗浄しやすいものになっており、乾燥物を排出する際の作業やメンテナンスを行いやすいといった利点もあります。ケーシングの構造は容量によって異なっており、大容量を前提としている場合は横型が、少量多品種に適した乾燥機であれば横型の形状になることもポイントです。
※参考元:日本乾燥機株式会社公式HP[PDF]https://kansoki.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/01/nkr_VV2014-10.pdf
日本乾燥機株式会社は1910年(明治43年)に創業して以来、100年以上にわたって産業・工業分野の乾燥機を開発・製造・提供してきた老舗企業です。
産業用乾燥機の専業メーカーとして、およそ4,000枚以上という図面を有しており、どのような乾燥システムが時代や業界で求められているのか適切に把握したうえで有用性と効率性を追求した製品開発を続けています。
日本乾燥機株式会社はさまざまなメーカーや企業へ乾燥機を導入しており、さらにそれぞれの顧客ニーズや乾燥物の特性に合わせた乾燥機を提供していることも重要です。
日本乾燥機株式会社では乾燥させる対象物の物性を考慮して、どのような乾燥システムであれば最も効果を発揮できるのか、専門家の視点から検討しています。そのため乾燥物と相性の悪い乾燥機を提案することはありません。
また、各製品にはテスト機が用意されています。
半導体や各種薬品、食品など、自社商品の研究開発を目的とした工業用乾燥機には、様々なタイプが存在します。
ここでは代表的な5タイプについて、簡易的な比較表にまとめています。自社にはどのタイプが最適なのか、検討をしてみてください。
振動乾燥機
振動乾燥機はドラム型は缶体内に原料を投入し振動を行い、原料の流動化・乾燥を行う乾燥装置です。 |
攪拌乾燥機
攪拌式の乾燥機は、本体内部にあるパドルや羽根により原料を攪拌し、乾燥を行うタイプの乾燥機です。 |
真空回転乾燥機 (コニカルドライヤー) 真空回転乾燥機は、本体部分を密閉して減圧を行い、真空状態を作り出して原料を乾燥する構造の乾燥装置です。 |
箱型棚式 乾燥機 箱型棚式乾燥機はトレイに乾燥物を配置し、乾燥を行う構造の乾燥装置です。 |
流動層乾燥機
流動層乾燥機にはさまざまな形状があり、回転運動や振動、熱風などを利用し乾燥を行います。 |
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材料適⽤ 範囲 様々な種類・状態の材料に対応をしてるか。凝集性・付着性のある材料、水分量の多い材料、を苦手とする乾燥機も。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。また、外に空気が漏れないため、人体に有害なものやナノ粒子状なども対応可能です。 |
広い 幅広く対応 本体部分は閉じられた状態になるため、様々な材料に対応。 |
広い 幅広く対応 本体部分は真空状態になるため、様々な材料に対応。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料は苦手 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。 |
狭い 凝集性・付着性のある材料不可 攪拌が行われないため、凝集性・付着性のある材料に適用しない。また、水分を多量に含んだものも苦手とする。 |
適⽤量
一度に乾燥を行う材料の適用量はどうか。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩〜⼤
様々なサイズの乾燥機をメーカーが用意している。 |
⼩
材料を水平に並べる構造上、大量の材料を乾燥させる際には広いスペースが必要となる。 |
大
大量の材料の乾燥に適用したタイプの乾燥機。 |
粒⼦破損
材料の粒子を破壊せずに乾燥ができるか。物理的な摩擦が少ないものが好ましい。 |
少ない
振動による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
少ない
回転による攪拌のため、機器による摩擦を発生させない。 |
少ない
攪拌を行わないため、機器による摩擦を発生させない。 |
有り
攪拌の際に機器による摩擦が発生しやすい。 |
加熱温度
関節加熱の温度が高いほど乾燥速度は早まるが、内部構造が複雑な機器の場合、熱膨張の影響を受けやすいため、制限がかかる。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
中温域 (190度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
高温域 (250度以下) 内部構造がシンプルなため、高温での過熱が可能。 |
低温域 (160度以下) 内部構造が複雑なため、200度以上を出すのが難しい。 |
コンタミ 発⽣ リスク 乾燥機の内部での摩擦により、コンタミが発生するリスクがあるか。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
低い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こりにくく、コンタミが発生するリスクは低い。 |
高い
乾燥機での攪拌による摩擦が起こるため、コンタミが発生するリスクが高い。 |
洗浄時間
乾燥を行うごとに洗浄が必要な工業用乾燥機。内部構造が複雑な場合、解体が必要となるため、洗浄時間が長くなる。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
短い
内部構造がシンプルなため、洗浄時間が短い。 |
長い
内部構造が複雑なため、洗浄時間が長い。 |
消耗 部品 攪拌に羽を使用している、摩擦を起こすための部品が多い乾燥機の場合、消耗品の交換が必要となる。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
少ない
消耗品はほとんどない。 |
多い
消耗品が多く、定期的な交換が必要。 |
特⻑ | 上記項⽬に幅広く対応した上で、粒⼦がダマにならない | 最も⼀般的な形式のため使い慣れている研究者が多い | 高真空下で低温乾燥が可能なため、熱に弱い原料に向いている | 食品乾燥など攪拌が必要のないものに 向いている | 大量の原料の乾燥に適している |
代表的な 製品(※) |
中央化工機
VU型振動乾燥機 |
ヤスジマ
YVD真空撹拌乾燥機 |
徳寿工作所
真空回転乾燥機 WDV型 |
長門電機工作所
箱型棚式乾燥機 |
栗本鐵工所
流動層乾燥装置 |
※タイプ別の代表的な製品の選出基準
「振動乾燥機」「攪拌乾燥機」「真空回転乾燥機」「箱型棚式乾燥機」「流動層乾燥機」⇒2022年3月23日時点で各タイプ名をGoogle検索した際、最上位に表示されるメーカーの商品。